日曜メッセージ ―「主の祈り」から―
掲載日:2020.05.03
日曜メッセージをお届けします。
だから、こう祈りなさい。『天におられるわたしたちの父よ、御名が崇められますように。御国が来ますように。御心が行われますように、天におけるように地の上にも。わたしたちに必要な糧を今日与えてください。わたしたちの負い目を赦してください、わたしたちも自分に負い目のある人を赦しましたように。わたしたちを誘惑に遭わせず、悪い者から救ってください。』
(マタイによる福音書 6章9~13節)
ひと月前、新型コロナウイルス感染の勢いが日本各地で急激に増し始め、安倍首相による緊急事態宣言がいつ出されるのかと連日報道され、非常に緊迫していました。目に見えないウイルスの猛威に、日本でも世界でも、不安と恐れが満ち、心を痛めていました。一方、逆手に取ったマスクの転売や、誤情報によるトイレットペーパー等の買い占めが起こりました。私も、ドラッグストアなどに行って、空の棚を見ては「マスクがない」と焦っていました。
そのような中で、インターネット上であるニュースに出会いました。「耳の不自由な人のためのマスクを考案した女子大生に称賛の声」という記事です。聴覚障碍者教育を学ぶアメリカの女子大学生が、マスクにより相手の口の動きや表情を読み取れず、コミュニケーションに困っている耳の不自由な人たちを想い、マスクをしていても円滑なコミュニケーションがとれるよう、口元部分に透明なプラスチック素材を使用し、唇の動きが見えるマスクを作ったという内容でした。さらに彼女は作り方をYouTubeにアップすることや、補聴器を使用する人専用の、マスクのゴム部分を耳にかけずに後頭部で固定する方法を考案中ともありました。この記事を読み、私は若者の素晴らしい着想に勇気づけられると同時に、自分のマスクのことしか考えていなかった器の小ささに恥ずかしくなったのでした。
今日の聖書は、私たちを創造された神様に祈る際の具体的な言葉が書かれています。自分の事を祈る前に、神様の御名が崇められ、神様の御心がこの地球上でも行われるようにと祈る言葉が先にあります。今のような不安や恐れに満ちている時こそ、まずこの世界を創造された神様に感謝しつつ、神様が創造された周囲に目を向けましょう。そして互いに愛し合い、赦し合い、分かち合う心をもって過ごしましょう。誰かを想い、誰かのために祈れる人になりたいですね。
教諭 家山麻希