【日曜メッセージ】「天には栄光、地には平和」(クリスマス礼拝)
掲載日:2020.12.27
「いと高きところには栄光、神にあれ、
地には平和、御心に適う人にあれ。」
(新約聖書・ルカによる福音書2章14節)
クリスマスおめでとうございます。
イエス・キリストの誕生を喜び祝い、愛を分かち合うクリスマスです。クリスマス、この言葉はラテン語の「クリスト(キリスト)」と「マス(礼拝)」の合成語で、「キリストへの礼拝」の意味です。世界中の人々が祝うこのクリスマスの喜びとは、どこから来たものなのでしょうか。馬小屋に卑しい姿で生まれ、後には十字架で処刑されたイエスの誕生日を祝うということは、どういうことなのでしょうか。
2千年も前のある日、夜通し羊の群れの番をしていた羊飼いたちに天使が現れ、「あなたがたのために救い主がお生まれになった」との知らせを告げました。単に一人の幼な子の誕生ではなくて、「救い主」が生まれたと。様々な苦しみの中にいる時に「救い」を求めることは当然のことです。当時、長い間苦しみの中に生きて来たユダヤの民にとって「救い主」の誕生の知らせは大きな喜びでした。その喜びは今日に至るまで私たちにも、「福音(喜びの知らせ)」として伝えられているのです。「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」(ヨハネによる福音書 3:16)
天使と天の大軍は「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」と神様を賛美しました。「救い主」の誕生は、昔からの神様の約束が成し遂げられることであり、全ての人々のための「神様の愛」の実現でした。このことこそが神様の栄光を現すことでした。そして、その「救い主」の誕生は、地上の人々に平和をもたらすという大きな喜びの出来事なのでした。この平和とは、キリストによってまことの平和を得ることであり、神様によって造られたすべてのものの間で、和解による平和を得ることを指すのです。
世界中がコロナ禍の苦しみと不安に置かれています。今こそ、喜びも苦しみも分かち合い、愛を表す時です。それは優しい一言、一枚のはがき、相手のための祈りなど、遠くにいても、会えなくても、そして知らない人にでも、私たちができることです。天使と天の大軍に加えて、私たちも「天には栄光、地には平和」を共に賛美し、クリスマスの喜びの中で、新たな希望への新年を迎えましょう。
(酪農学園宗教主事 朴 美愛)