夏季休業を迎えるにあたっての校長メッセージ
掲載日:2020.08.01
2020年8月1日
全校生徒の皆さん、保護者の皆様へ
酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校長
西田 丈夫
昨年度末からの「新型コロナウイルス禍」は、昨年度の卒業式を奪い、続いて新年度の入学式、学校祭をはじめ様々な学校行事、さらには高体連、高野連、高文連等の各大会をも奪い去りました。また、生徒、保護者の皆さんにとってかけがえのない時間とチャンス、喜びや達成感など高校生活で最も大切なものを失うこととなりました。
校長として、この難局を最小限の影響にとどめて乗り切ろうとしましたが、十分な結果とはなりませんでした。心よりお詫びを申し上げたいと存じます。
この間、私たち教職員は、長い休校、家庭学習期間、生徒諸君がどのように過ごしているのか、どのような不安や心境の変化があるのか大変気がかりでした。また、多くの生徒が打ち込んできたクラブ活動の集大成ともいえる各大会がすべて中止となり、その悔しさ、残念さを思う時は心が痛みました。本校としての様々な判断についても、重いというよりは「痛い、苦しい」と感じる時々でした。
しかし、本校生徒諸君が6月にそろった時、すがすがしい顔立ち、不平不満を口にせず、現実を受け入れ、学習やスクーリング、クラブ活動に努力し打ち込む姿を見た時、大きな安堵と信頼すべき子供たちの輝きに胸が熱くなりました。この姿があるのは、この間、各家庭でのご指導があってのことと拝察いたします。様々な事がありながらも、本日を迎えられたことに心より感謝を申し上げます。
しかしながら、この「新型コロナウイルス禍」との闘いは、まだまだ続きます。決して油断はできません。秋には、各コースの研修旅行が計画されていますが、その実施も心配するところです。この休業期間は、全国、全道から集う生徒たちの帰省があり、クラブ活動の諸大会も計画されています。完全な対策は困難ですが、「自らの命と健康は自ら守る」精神のもと、生徒と保護者が協力していただきリスクの回避をお願いいたします。
最後に、大変残念ながら、罹患者や医療関係者への誹謗・中傷が人々の心を大きく痛めつける事件や事象のニュースが伝わります。いつの世もいわれなき偏見や差別と人類は闘ってきたはずですが、薬害エイズ、ハンセン氏病、原発事故被害者など最近の教訓もなかなか生かされません。
「神を愛し、人を愛し、土(自然の摂理)を愛す」建学の精神、三愛主義は、この差別と偏見を許しません。闘うべきは見えない病原であり、弱き苦しむ人々ではありません。これからの長い闘いの中、本校関係者にもウイルスは襲いかかりますが、万一のことがあっても本校関係者が心を一つにして、この難局を乗り切り、希望へとつなぎたいと強く決意しています。生徒、保護者の皆さんのご理解とご協力をお願いいたします。