【新入生、在校生そして保護者の皆様へ】2020年度始業、入学に際してのメッセージ

 

2020年5月1日発出

新入生、在校生そして保護者の皆様へ

2020年度始業、入学に際してのメッセージ

酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校長 西 田 丈 夫

 

今日は、5月1日、本校にとっては、本来であれば開校を祝うための休日、そして緊張感を持って臨んだ新学期に一息つくゴールデンウィークのさなかのはずですが、日本全国にその明るさはありません。

全道、全国各地で今日を過ごしている生徒の皆さん、そして保護者の皆様、お元気でお過ごしでしようか。春本番のこの季節、躍動する気持ちを抑えて我慢している生徒の心境、長期間にわたる厳しい社会状況にあって、経済的、精神的に大変なご苦労を背負っておられる保護者の皆様の心中を察するとき、本来の教育活動を展開できていない学校教育機関の一員として、胸が締め付けられる思いです。

しかしながら、この現実にあって、ただ漫然と時の経過を待つだけでは、建学の精神に支えられた私学としては、その期待に応えられないとの思いも募っているところです。新型コロナウイルス感染予防に努めた上で、形だけではない、真の教育成果を求めて、今後の対応を図りたいと思います。

さて、現状では政府発出の緊急事態宣言、道発出の休校要請期間延長は避けられない状況です。首都圏の感染者は減少傾向ですが、北海道は第2波の最中と判断するのが妥当です。残念ですが、最低でも数ヶ月の期間は必要との報道に明るい兆しは感じられません。

現在、本校では、「まずは出来ることから実践しよう」をスローガンに、様々な挑戦を試みています。例えば、生徒、家庭の情報環境に左右されない手法でのオンライン授業の試験実施、一部本格活用、手法は地味ですが、確実な成果を得られる文書での添削指導、通信制課程で培った教育手法を生かした通信手段のフル活用・・・。試行錯誤の展開も多い実態ですが、一方通行にならない、双方向の教育手法を模索しています。

また、学校教育は「単なる勉強の場所」ではありません。ともに学ぶ友人、教員との交流、一人では無く、仲間と過ごす時間の共有、教室とそこから飛び出して実体験を通じて体得する学び、実験実習を無くしては得られない専門的知識と技術など、オンラインでは補完できない学びがあります。学校再開時には、この期間失った学校本来の学びを全力で取り戻す準備も進めていきます。

今日現在、5月8日(金)までの休校要請があり、本校もそれに準じていますが、今後、学校所在地である江別市及びその近郊に、生徒の安全を大きく脅かす事態が生じない限り、登校可能な生徒にて、始業礼拝、入学礼拝を万全を期して予定通り実施致します。どの方策をとってもリスクは生じますが、「一度の顔合わせも十分に出来ていない一年生、新しいクラス、先生方・・・」コミュニケーションが皆無では、どんな手法の学習も本来の成果は望めません。全国、全道に散在し、登校がかなわない生徒の皆さんには、大変心苦しいのですが、ご理解をいただきたいと思います。また、近郊であっても、登校自体にリスクを感じられる場合は、各自のご判断を尊重していただきたいと思います。

この期間の実施について、様々なご意見があることは承知していますが、本校は、2月20日以降、生徒の安全確保と、微力ではありますが感染拡大防止の観点から社会的責任を果たすべく、断腸の思いで卒業式を中止、始業式、入学式を延期して参りました。しかし、今に至っては、一歩を踏み出すことが本校生徒に責任を果たす時との判断です。どうかご理解を賜りたいと存じます。

今、社会は混乱しています。まずは、この混乱を収束させることが第一義です。残念ながら人間は、混乱から現実逃避し、その解決方法が見つからない時、その原因を違うところに押しつけがちです。「厳しい冬に耐えて、蕾をふくらませ、花開こうとしている桜のように」今は、開花に備えて耐え忍ぶ時です。決して9月新学期に逃避してはなりません。逃避から生まれる結果は、欠陥だらけ、真のグローバルスタンタードにはなり得ません。「混乱に紛れて、有事だから仕方ない」手続き無視の改革は、大きな禍根を残す教訓を私たちは歴史から学んでいるはずです。

「STAY AT HOME」に徹している生徒諸君、我が家、地域、身近なところで、あなたの力は求められていませんか?いつもと違う時こそ、いつもは気がつかない自分に気づくチャンスかもしれません。この期間は、あなたの居場所で出来ることに努めてください。

偶然にも私たちに与えられた年度聖句、「私たちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生み出すことを」-新約聖書ローマへの信徒への手紙第5章3・4節-、今はこの導きに心を寄せる時です。

以 上

PAGE TOP